抹茶スイーツが嫌い|抹茶パウンドケーキがまずいと思う人におすすめのスイーツ
おからで抹茶のパウンドケーキ作ったんだけどクソ不味くてびっくりしてる
こんなまずいの?こんなおいしくないものをダイエット中みんなたべてるの?— りなぴ 2026.5/29手術予定🦷 (@Rinapidesuyooo)
July 8, 2023
「パウンドケーキは好きなのに、抹茶パウンドケーキだけは重い・えぐい・粉っぽい」――こう感じる人は少なくありません。
とくに“おから・低糖・低脂肪”に寄せた抹茶パウンドは、うまく作っても味が破綻しやすく、
「なんでこんなにまずいの?」という事故が起きがちです。
これは好みの問題というより、抹茶のカテキン由来の苦渋味と、パウンド生地が持つ口当たりの設計(脂質・糖・水分・密度)が噛み合わず、
“まずさ”が固定化されやすい構造があるからです。
本記事では、実在する食品科学の研究を根拠に「抹茶パウンドケーキがまずい理由」を整理しつつ、
渋味・粉っぽさ・重さを構造的に回避した “代わりに食べるべきスイーツ” を紹介します。
抹茶パウンドケーキとは?特徴・作り方・味の構造
抹茶パウンドケーキは、バター・砂糖・小麦粉・卵をほぼ同量使うクラシックなパウンド生地に、
抹茶粉末を練り込んだタイプの焼き菓子です。
パウンドケーキそのものは、高脂肪・高糖質・水分が少なく密な生地が特徴で、バターのコクと卵の風味が主役になります。
ここに抹茶を加えると、抹茶に含まれるカテキン類(EGCG など)とカフェインが、苦味と渋味を強く付与します(文献1,2)。
緑茶や抹茶の研究では、カテキンとカフェインが苦味・渋味の主要因であり、
濃度が高くなるほど苦味と渋味の評価値が増加することが示されています(文献1,2)。
つまり、油脂リッチで密なパウンド生地に高濃度の抹茶を混ぜると、
「しっとり感」よりも重さ・えぐさ・口の中のキュッとした渋味が前面に出やすくなる構造なのです。
抹茶(飲み物)×パウンドケーキ(固形物)は本来とても相性が良い組み合わせ
「抹茶は好きだしパウンドケーキも好きなのに、抹茶パウンドケーキだけまずい」という声は少なくありません。
しかし食品科学の観点では、抹茶を“飲み物”として楽しみ、パウンドを“固形物”として食べる分け方は、
味と口当たりのバランスが取りやすい、理にかなったペアリングです。
根拠①:抹茶の渋味は「ポリフェノール×唾液タンパク質」の相互作用で起きやすい
抹茶の渋味(アストリンジェンシー:キュッと乾く感じ)は、主にカテキンなどのポリフェノールが
唾液タンパク質と相互作用し、口腔内の潤滑が下がる(摩擦感が増える)ことで生じると整理されています(文献4,5,8)。
つまり「渋味がつらい」という問題は、抹茶そのものよりも口の中の“乾き・摩擦・ザラつき”として出やすい、ということです。
根拠②:バター系の焼き菓子は“口当たり回復”になり、渋味の体感を和らげやすい
渋味は「口腔内の潤滑」が落ちたときに強く感じられやすく、逆に潤滑(なめらかさ)が上がると体感が緩和される方向に働きます(文献5)。
脂質(バター等)が口当たり(mouthfeel)を高め、口腔内の乾き感をマスクしうることは、
口腔感覚の研究でも述べられています(文献7)。
だからこそ、抹茶は“飲み物”として香りと渋味をコントロールし、
パウンドは“固形物”としてバターのコクで口当たりを回復させる――
この分離スタイルは成立しやすいのです。
根拠③:「混ぜ込む」より「交互に摂る」ほうが、香りの衝突と渋味の固定化を避けやすい
抹茶を生地に混ぜ込むと、焼成(加熱)によって抹茶側の香りが変化しやすく、
渋味だけが目立つ方向に寄りやすいことが知られています(文献3,6)。
一方で、抹茶を飲み物として点て、パウンドを別で食べると、
抹茶の香り(青葉香・うま味)と焼き菓子の香り(バター香・卵香)を
ぶつけずに楽しめます。
これが「抹茶パウンドは無理でも、抹茶+パウンドはイケる」現象の土台です。
消費者の証言(官能の実例):一口食べて「抹茶に合わせよう」と判断されている
実際にSNSでも、パウンドケーキを一口食べた瞬間に「抹茶にあわせよう」と判断している投稿が見られます。
これは、固形物(バター・甘さ)→飲み物(抹茶)→固形物…という交互摂取が、
体感として成立している例(=消費者側の証拠)です。
お抹茶と、栗とほうじ茶のパウンドケーキ💖
いとうまし💓😍💞
一口かじって「お抹茶にあわせよう!」ってなったから一口かじってる😂
#snaqme
#スナックミー
pic.twitter.com/NW0MhT3kMy— ココア (@jQ9a5jBRcWmYTo4)
October 3, 2020
このように、抹茶(飲み物)×パウンド(固形物)の分離ペアリング自体は成立しやすい一方で、
抹茶パウンドケーキ(混ぜ込み)だけがまずく感じられやすいのは、
渋味の固定化・香りの劣化・密な生地構造による重さが同時に出やすいからです(文献3,6)。
次の章で、その“まずくなりやすい理由”を食品科学として分解します。
おから抹茶パウンドが「特にまずくなりやすい」4つの条件(ダイエット仕様の落とし穴)
先に結論を言うと、ダイエット目的で油脂・砂糖・小麦粉を削って抹茶を入れるほど、
抹茶パウンドは「えぐい/粉っぽい/重い」が強調されやすくなります。
抹茶が悪いのではなく、“口当たりと味のマスキング機構”を自分で外してしまうのが原因です。
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① 油脂を減らすほど、渋味の「摩擦感」が目立ちやすい
抹茶の渋味は、ポリフェノールと唾液タンパク質の相互作用で口腔内の潤滑が下がることで強く感じられます(文献4,5,8)。
ところが低脂肪設計にすると、口当たりの回復が弱まり、渋味=乾き・ザラつきとして残りやすくなります。 -
② 砂糖を減らすほど、苦味・渋味の“マスキング”が弱くなる
甘味は苦味・渋味の体感を和らげる方向に働くことが知られています。
低糖レシピではこの緩衝材が消えるため、同じ抹茶量でもえぐ味が前に出やすい構造になります(文献1,2)。 -
③ おから(食物繊維)が増えるほど、「粉っぽさ」「口の水分を持っていく感」が出る
おからは吸水性が高く、生地の水分保持・口中感に影響します。
もともと水分が少ないパウンドに繊維系素材が入ると、パサつき・飲み込みにくさが出やすく、渋味の乾き感と相乗しやすいです(文献4,5)。 -
④ 「抹茶で味をごまかす」方向に増量しがちで、苦渋味がスパイクする
抹茶の苦味・渋味は、カテキン(EGCGなど)とカフェインが主要因で、
濃度が上がるほど強く評価されることが示されています(文献1,2)。
低脂肪・低糖でコクが出ない分、抹茶を増やすと、結果的に苦渋味だけが突出して事故りやすくなります。
つまり「おから抹茶パウンドがクソ不味い」という体験は、珍しい失敗談ではなく、条件が揃うと起きやすい構造事故です。
次の章では、一般的な抹茶パウンド(通常レシピ)でも“まずくなりやすい要因”を整理します。
なぜ「抹茶パウンドケーキ」がまずいと感じられやすいのか
うちお菓子作りそんな下手な人じゃない
はず
抹茶の粉が原因だ絶対
前もパウンドケーキ失敗したもん抹茶でにしてもまずいくさい
— 旧コハルン (@KKon_4)
January 2, 2014
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① カテキン+カフェインの強い“苦渋味”が油脂に絡む
抹茶に豊富なカテキン(特に EGCG)は苦味・渋味の主要因であることが報告されています(文献1,2)。
また、EGCG 濃度が高いほど苦味・渋味の評価が強まることも数値的に示されています(文献1)。
パウンドケーキは油脂が多く口の中に脂が残りやすいため、
そこでカテキンが舌や口腔内にまとわりつき、後味が長く残ることで「重いのにえぐい」という感覚につながります。 -
② 焼成で抹茶成分が変質し、香りと味のバランスが崩れる
茶カテキンは加熱で酸化・分解しやすく、パン・菓子製造中に一部が別の化合物へ変化することが示されています(文献3)。
さらに、茶ベーカリー食品の総説でも、加工条件によって風味・品質が大きく左右される点が整理されています(文献6)。
その結果、焼き菓子中では抹茶の爽やかな香りが弱まり、渋味だけが強く残るという現象が起きやすくなります。 -
③ パウンドケーキの「密で重い生地」と渋味の相性が悪い
ポリフェノール類の渋味(アストリンジェンシー)は、唾液タンパク質と相互作用し
「キュッと締まるような乾燥感」を引き起こすことが分かっています(文献4,5,8)。
パウンドケーキは水分が少なく組織が密なため、渋味と組み合わさると
パサつきが強まり、飲み込みにくい重たい食感になりがちです。 -
④ 粗挽き・安価な抹茶粉は粉っぽさと青臭さが強まる
茶ベーカリー食品のレビューでは、茶(抹茶等)の品質や粒度などの要因が
食感・色・風味に影響しうる点が整理されています(文献6)。
粒度が粗かったり、安価な茶葉を多量に使用すると、
「粉っぽさ」「草っぽい青臭さ」「くすんだ緑色」が強まり、まずさの原因となります。
以上のように、抹茶パウンドケーキがまずく感じられるのは、抹茶の渋味 × パウンド生地の重さ × 加熱による劣化という複合的な問題によるもの。
ここから紹介するスイーツは、これらの欠点をほぼすべて排除しているため、
「抹茶スイーツは無理でも、甘いものは好き」という人がストレスなく楽しめる代替案になります。
抹茶パウンドケーキが嫌いな人におすすめの代替スイーツ
イチジクとナッツが入ったパウンドケーキ✨しっとりしっかり頂きました☺️
久々にお抹茶を出して合うー✨ pic.twitter.com/2Msyfgb1DR— マリー (@JEhFLzZJoIA2EIs)
November 1, 2023
「パウンドケーキは好きだけど、抹茶のパウンドケーキだけ無理」という人には、抹茶を使わず
香りの主役がバター・柑橘・カカオになっているスイーツを選ぶと、違和感なく楽しめます。
※抹茶は“飲み物”として点て、パウンドは別で食べる(交互摂取)と、相性の良さだけを拾いやすいです。
①足立音衛門 パウンドケーキ
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抹茶パウンドの主因になりやすいカテキン由来の渋味/えぐ味が存在しないので、
「重いのにえぐい」が発生しません。
バター・卵・糖の香りが主役で味の主導権が明確なため、後味が濁りにくい“王道の代替パウンド”です。
②レモンパウンドケーキ
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抹茶不使用なので、抹茶パウンドの構造で問題になりやすいカテキン由来の渋味/えぐ味と
粉っぽさがそもそも発生しません。
さらにレモンの香りと酸味がバター生地の重さを“軽く感じさせる方向”に補正するため、
「重い・くどい」不満の解消につながりやすい代替案です。
③ 川本屋茶舗 ガトーショコラ
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抹茶の“青い苦渋味”が苦手な人は、苦味があっても焙煎香と一緒に立ち上がるカカオのほうが
「心地よいほろ苦さ」として成立しやすいです。
抹茶パウンドの「重いのにえぐい」を、香りの快感(焙煎香)で上書きできるタイプの代替案です。
④ オレンジパウンドケーキ
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抹茶パウンドで起きがちな焼成による抹茶香の弱まり→渋味だけ残るという事故を、抹茶不使用のオレンジパウンドは根本的に回避します。
柑橘香は立ち上がりが早く、密なバター生地に対して香りの主導権が明確なので、
「重いのに青臭い/えぐい」を感じやすい人の解消につながります。
⑤足立音衛門 いちじくとくるみのパウンドケーキ
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抹茶不使用なので、抹茶パウンドの主因になりやすい渋味(アストリンジェンシー)と粉っぽさを排除できます。
さらに、ドライいちじくの粒感・胡桃の香ばしさで口の中の単調さが減り、
「密で飲み込みにくい」「重さがつらい」タイプの不満を“食感の分散”で解消しやすい代替案です。
まとめ|抹茶パウンドケーキだけがまずいのは“理由がある”
・抹茶パウンドはカテキンの渋味が油脂と絡んで重く感じる(文献1,2)。
・焼成で抹茶成分が変質し、香りが弱まり渋味だけ残る(文献3,6)。
・パウンドの密な生地と渋味は相性が悪く、パサつきが増幅する(文献4,5,8)。
・さらに「おから/低糖/低脂肪」に寄せるほど、マスキングと口当たり回復が弱まり“事故りやすい”。
代わりに食べるべきは、渋味・粉っぽさ・重さを排除した
プレーン・柑橘・ショコラ系のスイーツです。
▶ 抹茶味が苦手な人向けの全まとめは
こちら
参考文献(実在)
- Xu, Y.Q. et al. Quantitative analyses of the bitterness and astringency of green tea infusion according to catechin concentrations. Food Chemistry, 2018.
- Nakagawa, M. Chemical Components and Taste of Green Tea. JARQ (Japan Agricultural Research Quarterly), 9(3):156–160, 1975.
- Wang, R. & Zhou, W. Stability of Tea Catechins in the Breadmaking Process. Journal of Agricultural and Food Chemistry, 2004.
- Soares, S. et al. Tannins in Food: Insights into the Molecular Perception of Astringency and Bitter Taste. Molecules, 2020.
- Pires, M.A. et al. Sensorial Perception of Astringency: Oral Mechanisms and Current Strategies. Foods, 2020.
- Cui, H. et al. Processing technology of tea bakery foods – a Review. Czech Journal of Food Sciences, 37:391–402, 2019.
- Withers, C.A. et al. Potential sources of mouth drying in beverages fortified with dairy proteins: role of lubrication and mouthfeel. Journal of Dairy Science, 2014.
- Ramos-Pineda, A.M. et al. Polyphenol–salivary protein interactions as a major mechanism in astringency (review/overview). Journal of Agricultural and Food Chemistry, 2019.





