抹茶スイーツが嫌い|抹茶サブレがまずいと思う人におすすめのスイーツ

抹茶スイーツが嫌い|抹茶サブレがまずいと思う人におすすめのスイーツ

「サブレやクッキーは好きなのに、抹茶サブレだけ粉っぽくてまずい」「抹茶の風味が強すぎて重い」と感じる人は少なくありません。
実はその違和感には、抹茶に多く含まれるカテキン類の強い渋味・苦味や、粉末の粒度(粗さ)・サブレ生地の低水分構造といった食品科学的な理由があります。

この記事では、学術文献をもとに「抹茶サブレがまずく感じられやすい理由」を整理しつつ、
同じサクサク系でも抹茶の弱点を避けた、代わりに選びたいスイーツを紹介します。

抹茶サブレとは?特徴と構造をやさしく解説

抹茶サブレとは、小麦粉・バター・砂糖・卵黄をベースにしたサブレ生地に、
抹茶粉末を練り込んで焼き上げたサクサクほろほろ系のクッキーです。

ベースとなるのは、水分が少なくバターと砂糖の比率が高い低水分・高脂肪のサブレ生地
そこに抹茶粉末(カテキンやカフェインを多く含む粉末茶葉)を加えることで、
独特の濃い緑色・お茶らしい香り・ほんのりビターな味わいが生まれます。

ただしこの構造は、バター由来のコクと抹茶の渋味が衝突しやすく、水分が少ないため粉っぽさやパサつきも出やすいという面も持っています。
そのため、配合や焼き加減によっては「香りは悪くないのに、食べるとまずい・口が乾く」と感じられやすく、
これが後述する「抹茶サブレをまずいと感じる理由」の背景となります。

お抹茶とサブレは本来とても相性が良い組み合わせ

「抹茶は好きなのに、抹茶サブレだけまずい」と感じる人は多いですが、
実はお抹茶とサブレのペアリング自体は非常に相性が良いことが知られています。
つまり問題は抹茶そのものではなく、
抹茶をサブレとして加工する過程で“まずさの原因”が発生するという点にあります。

このように、お抹茶とサブレは本来好相性です。
それでも抹茶サブレだけがまずく感じられてしまうのは、
カテキンの渋味・粉末の粒度・低水分構造がサブレと“衝突”するためです。
次章では、その原因を食品科学の視点でくわしく解説します。

なぜ「抹茶サブレ」がまずく感じられやすいのか

  • 1. カテキン由来の強い渋味が、甘さとバター感のバランスを崩す
    抹茶にはカテキン類・テオガリン・没食子酸・カフェインなど、強い渋味・苦味を与える成分が多く含まれます。
    茶の評価でも「渋味とうま味のバランス」が重視され、苦渋味が強すぎるものは飲用でも好まれないことが報告されています。
    サブレは本来、バターのコク+砂糖の甘さ+小麦の香ばしさでバランスをとるお菓子ですが、
    カテキン量の多い抹茶を練り込むと、甘さよりも渋味・草っぽさ・キシキシ感が前面に出てしまい、
    「甘いのに後味だけまずい」「口の中だけ変に乾く」と感じやすくなります。
  • 2. 抹茶粉の粒度が粗いと、ザラつき・粉っぽさが強調される
    抹茶の美味しさは、粉の細かさ(粒度)と食感に大きく影響されることが、抹茶の粒度と官能評価の研究から示されています。
    十分に細かく挽かれた抹茶はなめらかですが、粒度ムラがあると舌の上でザラつき・粉っぽさとして認識され、おいしさが低下します。
    水分が少ないサブレ生地に粒度ムラのある抹茶粉を加えて焼成すると、
    唾液を一気に吸い取りながらガリッとした粉っぽさが目立ち、
    「普通のサブレは好きなのに、抹茶サブレだけ粉っぽくて無理」という感覚につながります。
  • 3. 低水分+高脂肪のサブレ構造が、渋味と乾燥感を増幅する
    ビスケット・クッキー類は、粉の種類や水分量で硬さ・もろさ・口どけが大きく変わり、嗜好性にも影響します。
    サブレはそもそも水分が少なく、バターと砂糖の比率が高いタイプの焼き菓子です。
    そこに抹茶粉を加えると、さらに水分活性が低くなり、パサつきやすい生地になりがちで、
    渋味成分が唾液中へ一気に溶け出し、「油っぽいのに口の中だけ乾く」ような違和感を強く感じやすくなります。
  • 4. 焼成中の酸化で、香りが「草っぽい・焦げっぽい」に変わることも
    緑茶粉末をクッキーに配合した研究では、抹茶や緑茶粉を増やすほどクッキーの色や抗酸化能が高まる一方、物性(もろさ・固さ)が変化し、
    一部では評価が分かれることが報告されています。
    また、カテキンは加熱や酸化で別のポリフェノールに変化し、渋味や刺激感に関わる成分を生じることも知られています。
    その結果、抹茶本来の爽やかな香りよりも、草っぽさ・焦げっぽさ・金属的なえぐ味が前に出てしまい、
    「抹茶サブレにした途端、香りだけ妙に安っぽく感じる」という評価になりがちです。
  • 5. プレーンクッキーより香り・甘さ・硬さの評価が低くなる傾向も
    甘酒と抹茶を加えたクッキーの研究では、抹茶入りクッキーはプレーン小麦クッキーに比べて香り・甘味・硬さの評価が低いものの、
    総合評価では大きな差が出なかったと報告されています。
    これは、抹茶を加えることで機能性(抗酸化など)は向上するが、風味バランスが崩れたと感じる人も一定数いることを示しています。
    つまり、抹茶サブレは「好きな人は好きだが、まずいと感じる人にとっては不快ポイントが集中しやすい」スタイルと言えます。





上記のように、抹茶サブレは抹茶の渋味や粉っぽさが出やすい構造的な弱点を抱えています。
しかしこれは、裏を返せばその弱点となる要素(カテキンの渋味・粗い粒度・低水分によるパサつき)を持たないスイーツを選べば解決できるということです。

次の章では、抹茶サブレの苦手ポイントを避けながら、
同じような「サクサク感」や「バターの香り」だけを楽しめるサブレ・クッキー・焼き菓子の代替スイーツを紹介します。

抹茶サブレがまずいと感じる人におすすめのスイーツ

ガレット・オ・ブール ガレット クラシック|バターのコクで「粉っぽさ」と渋味を忘れさせる一枚

「抹茶サブレの粉っぽさと草っぽい香りが苦手…」という人でも食べやすいのが、バターを主役にしたガレット・オ・ブール
抹茶パウダーは使わず、小麦とバターの香ばしさで勝負しているので、カテキン由来の渋味やえぐ味が一切ありません
サクッとほろっと崩れる食感はそのままに、「抹茶抜きのサブレのおいしさ」だけを純粋に楽しめる、抹茶サブレNG勢にとっての王道代替サブレです。

エリゼ宮殿ブティック 薄焼きサブレ|軽い口どけで「モサモサ感」を回避した上品サブレ

抹茶サブレの「重い・モサモサする」という違和感が強い人には、薄焼きタイプのサブレがおすすめ。
エリゼ宮殿ブティックのサブレは、生地を薄く焼き上げることで口どけが軽く、粉っぽさを感じにくいのが特徴です。
香りの主役はあくまでバターと小麦。抹茶のえぐ味や草っぽさはゼロなので、サクサク感だけを上品に楽しみたい人の納得スイーツとして提案できます。

モロゾフ カスタ ガレット&クーヘン|「サブレが怖い人」にも優しい焼き菓子アソート

抹茶サブレで失敗して、「サブレ全般ちょっと怖い…」という人には、ガレットとバウムクーヘンが一度に楽しめるモロゾフの詰め合わせが安心です。
バター香るガレットに加え、カスタード風味のクーヘンなど、渋味ゼロ・えぐ味ゼロの焼き菓子だけが揃っているので、
「粉っぽくて渋い抹茶サブレ」とは別軸で、焼き菓子の良さをゆっくり取り戻したい人にぴったりのセットです。

薫るバター サブリナ|抹茶の代わりに「バターの余韻」を主役にしたご褒美サブレ

抹茶サブレの「草っぽい粉感」がどうしても無理な人には、風味の主役を徹底的にバターに振ったサブリナが相性抜群。
ひと口かじると、口の中に残るのは抹茶の渋味ではなくバターの甘い余韻で、コーヒーや紅茶との相性も抜群です。
「抹茶は飲んで味わいたい、サブレはバターで楽しみたい」というタイプの読者に、自信を持ってすすめられるバターサブレです。

エダムチーズと北海道バターのサブレ|甘さ控えめ・しょっぱさ寄りで“甘い抹茶サブレ疲れ”から解放

「甘い抹茶サブレも重いし、そもそも甘さがきつい…」という人には、チーズとバターが主役の塩系サブレという逃げ道も用意しておきたいところ。
エダムチーズと北海道バターのサブレは、砂糖の甘さよりもチーズのコクと塩味が前に出るタイプなので、
抹茶サブレのような甘さ+渋さの二重苦がなく、ワインやビールのおつまみにもなる大人向けの代替サブレとして提案できます。

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「抹茶スイーツがまずい・重い・えぐい」と感じる人向けに、食品科学の観点から原因と代替スイーツを解説した人気記事まとめです。

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まとめ|抹茶サブレがまずいのは「抹茶もサブレも嫌い」だからではない

抹茶サブレがまずい・粉っぽいと感じる背景には、カテキン由来の強い渋味、抹茶粉の粒度、生地の低水分構造といった食品科学的な理由があります。
逆に言えば、そこさえ外してあげれば、抹茶やスイーツそのものは好きなまま、別の焼き菓子で満足感を得ることができます。

プレーンやショコラのサブレ、ガレット・ブルトンヌ、フィナンシェ、ほうじ茶クッキーなど、
渋味成分を含まず、粉っぽさやパサつきを抑えたスイーツに切り替えることで、
「抹茶サブレだけ無理」というモヤモヤをスッキリ解消しやすくなります。

参考文献

  1. Ahmad M, Baba WN, Wani TA, et al.
    Effect of green tea powder on thermal, rheological & functional properties of wheat flour and physical, nutraceutical & sensory analysis of cookies.
    J Food Sci Technol. 2015;52(9):5799-5807.
  2. 堀 光代ほか.
    クッキー副材料としての甘酒および抹茶の意義.
    日本調理科学会誌. 2022;55(2):97-104.
  3. 沢村 信一.
    粒度と食感からみた抹茶のおいしさ.
    茶業研究報告. 2019;128:31-40.
  4. 堀江 秀樹.
    抹茶の品質と機能.
    茶業研究報告. 2018;126:1-10.
  5. 児﨑 章憲.
    カテキン類,テオガリン,没食子酸およびカフェイン.
    茶業研究報告. 2020;129:11-20.
  6. 氏原 ともみほか.
    味覚センサ装置を用いたリーフ緑茶の渋味およびうま味強度の評価.
    日本食品科学工学会誌. 2017;64(2):74-82.
  7. Kurogi M, Miyashita M, Emoto Y, et al.
    Auto-oxidation products of epigallocatechin gallate activate TRPV1 and TRPA1 in sensory neurons.
    Neurosci Lett. 2014;579:64-69.