抹茶クッキーとは？特徴と構造をやさしく解説

抹茶クッキーとは、小麦粉・バター・砂糖・卵などを使ったクッキー生地に、
抹茶パウダー（緑茶粉末）を練り込んで焼き上げたビスケットタイプの焼き菓子です。

ベースとなるクッキー生地は、水分が少なく脂質が多いサクサク構造になっており、
そこに粒子の細かい抹茶粉末を加えることで、
「サクサク感」＋「お茶の香りとほろ苦さ」を同時に楽しめるよう設計されています。

ただし実際の製品では、

• 抹茶粉の粒度（細かさ・粗さ）
• 使用量や砂糖・油脂とのバランス
• 焼成温度や焼き時間による香ばしさ（メイラード香）の出方

といった条件によって、味・香り・食感のバランスが大きく変わるのが特徴です。
抹茶の量が多すぎたり、粒子が粗かったり、焼き色がつきすぎたりすると、
「草っぽい」「えぐい」「ザラつく」と感じやすい状態になり、
これが後述する「抹茶クッキーがまずく感じられやすい理由」の土台になっています。

なぜ「抹茶クッキー」がまずく感じられやすいのか

• 抹茶粉の粒度が粗く、ザラつきと渋味スパイクが出る

  SNSでも「抹茶クッキーのザラつきが苦手」という声があります。

  クッキー生地に抹茶を練り込む際、十分に微粉化されていないと、
  焼成後に舌触りのザラつきや、ところどころで強い渋味スパイクが生まれます。

  
  （例：沢村ほか, 2010「粉砕方法の異なる抹茶の物性と形状」日本食品科学工学会誌／
  Ahmad et al., 2015「Effect of green tea powder … cookies」J Food Sci Technol）
  

• 焦げ香と抹茶の青葉香がぶつかる

  「抹茶風味と焦げた香りが合わない」という投稿も多く見られます。

  クッキー特有のメイラード由来の香ばしさと、
  抹茶の青葉香・海苔様香は配合次第でバランスが難しく、「焦げた香り＋青臭さ」として
  不快に感じられる人もいます。茶粉末を加えた焼き菓子では、粉末量や粒度が
  風味バランスや食感を大きく変えることが報告されています。

  
  （Cui et al., 2019「Processing technology of tea bakery foods – a Review」Czech J Food Sci）
  

• 色からくる期待値と味のギャップ

  見た目の濃い緑色から「味の濃さ」を期待してしまう、という声も。

  濃い緑色のクッキーを見ると「抹茶がたっぷり」「お茶の旨味が濃い」ことを期待しますが、
  実際には砂糖と油脂の甘さが前面に出て、抹茶らしい旨味は弱いことが多いです。
  視覚と味覚の期待不一致は、「なんかまずい」という評価に直結しやすいことが、
  色と味の相互作用を扱うフレーバー研究で指摘されています。

  
  （Spence, 2013「Multisensory flavour perception」Current Biology）
  

つまり、「抹茶クッキーが嫌い」という感覚は、粉の粒度・焼き香・色と味のギャップが重なった結果と整理できます。