抹茶ミルフィーユが嫌いな人におすすめスイーツ|サクサク層なのに抹茶だけ重く感じる理由
「ミルフィーユは好きなのに、抹茶ミルフィーユだけ重くてまずい」と感じる人に向けて、
その理由と、代わりに選びたいカスタード&ショコラ系ミルフィーユ風ケーキを紹介します。
抹茶ミルフィーユとは?特徴・作り方・味の構造
抹茶ミルフィーユは、通常のミルフィーユに抹茶粉末を加えたカスタードや生クリームを
多層パイ生地に挟んだ“和×洋”フレーバースイーツです。
ミルフィーユ自体は、バターリッチなパイ生地(約20〜35%の高脂肪層)と
カスタード・生クリームなど乳脂肪が主役のフィリングで構成される洋菓子で、
この高脂肪の層構造が食感と風味を決定します。
パフペストリーの層と脂質が食味に強く影響することは食品研究でも示されています。
(Silow et al., 2017, Foods)
一方、抹茶に含まれるカテキン類(EGCGなど)は
強い渋味・苦味・収斂性を生むことが知られており、
濃度が高まるほど渋味評価が上昇することが報告されています。
(Ujihara et al., 2013, Food Sci. Technol. Res.)
さらに、乳脂肪とカテキンを混合すると苦味のマスキングが不完全になり、
官能評価が低下することも確認されています。
これは「甘いのに後味だけ渋い」という違和感を引き起こす原因となります。
(Miura et al., 2010, Milk Science)
つまり抹茶ミルフィーユは、
バターの重さ × 抹茶の渋味 × 乳脂肪とカテキンの相性
という複数の要因が重なるため、通常のミルフィーユより味のバランスが崩れやすい構造を持っています。
なぜ「抹茶ミルフィーユ」がまずく感じられやすいのか
「ミルフィーユは好きなのに、抹茶ミルフィーユだけはまずい」と感じる人の多くは、
ミルフィーユそのものが嫌いなのではなく、抹茶カテキン(渋味成分)とパイ生地・クリームの相性が悪い
ことに違和感の原因があります。
ミルフィーユの中心は本来、バターの香り・砂糖の甘さ・カスタードのコクといった
“洋菓子の香り構造”が主役です。
しかし、ここに抹茶を加えると、カテキンの渋味・収斂感が
バターの甘い香りを打ち消し、味の重さと渋味が同時に立つ不協和が起こります。
つまり「まずい」と感じる本質は、ミルフィーユの構造ではなく “抹茶との組み合わせ”にあり、
ミルフィーユ自体は食べられる・むしろ好きという状態が十分あり得るのです。
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バターリッチなパイ生地×抹茶カテキンで「重いのに渋い」口当たりになる
抹茶にはエピガロカテキンガレート(EGCG)などのカテキン類が多く含まれ、
強い渋味・苦味を示すことが報告されています。
さらに、カテキンを加えた乳飲料やヨーグルトでは、
苦味・渋味の増加とともに官能評価が低下するという研究結果もあります。
ミルフィーユはもともとバターたっぷりのパイ生地とクリームが主役の高脂肪スイーツ。
そこに抹茶カテキンを濃く加えると、脂の重さに加えて
口内の乾き・きしみ(収斂感)が立ちやすく、
「重いのにキュッと渋い」という二重の違和感になりがちです。
宇治原ら, Food Sci. Technol. Res., 2013 / Miura et al., Milk Sci., 2010 など -
多層パイ+抹茶クリームの偏りで、渋味が“一口ごとにバラつく”
パイやパフペストリーは、20〜35%ほどの高脂肪を含む多層構造の生地で、
層の厚みや脂層の数が食感・風味に大きく影響することが報告されています。
抹茶ミルフィーユでは、パイ層の間に挟んだ抹茶クリームが均一でないと、
ある一口だけカテキン濃度が高い「渋味の塊」になりがちです。
その結果、「さっきの一口は普通だったのに、今の一口だけ粉っぽくて渋い」と
一口ごとの印象差が激しくなり、「まずい」と感じる決定打になりやすくなります。
Silow et al., Foods, 2017 など(パイ生地の脂質と層構造の影響) -
粉糖やホワイトチョコのデコレーションで甘さだけが増幅し、抹茶の良さが埋もれる
焼き菓子の研究では、砂糖の粒径や配置(生地の中か表面か)によって、
同じ砂糖量でも甘味の強さや食感が大きく変わることが示されています。
粉糖やホワイトチョコを表面に多く使うと、最初の一口で強い甘さを感じやすくなり、
その後の抹茶の青い香りや旨味がマスキングされてしまいます。
こうして「甘いだけで抹茶の良さがない」「甘さのあとに渋味だけ残る」と感じられやすく、
抹茶やスイーツ自体は好きな人でも、抹茶ミルフィーユだけ違和感が強く出る理由になります。
Journal of Food Science, 2019 など(砂糖粒径と甘味・食感の研究)
抹茶ミルフィーユが嫌いな人におすすめミルフィーユ系スイーツ7選
抹茶ミルフィーユが苦手でも、普通のミルフィーユやミルフィーユ風スイーツなら美味しく食べられる人は少なくありません。
その違いは、不快感の原因が「抹茶カテキン × 高脂肪クリーム」の相性の悪さに集中しているからです。
プレーンやショコラ、フルーツソースを主役にしたミルフィーユは、
バターの香ばしさ・カスタードやチョコの甘み・フルーツの酸味など、
洋菓子本来の香り構造だけで成り立っています。
渋味や収斂性をもつ抹茶成分が入らないため、
「脂の重さ+渋味」の二重苦が起こりにくいのがポイントです。
ここでは、抹茶を使わずに作られたミルフィーユ&ミルフィーユ風スイーツから、
「サクサクの層は好きだけど、抹茶の重さだけが無理」という人でも選びやすい7品を紹介します。
東京みやげ・老舗フルーツ店・有名洋菓子ブランドなど、
抹茶を使わずにカスタード・ショコラ・フルーツ・チーズを主役にしたミルフィーユ系スイーツをピックアップしました。
① 東京ミルフィーユ かさ音
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「かさ音」は、サクサクのパイ生地にプレーンなクリームやチョコを合わせた、
シンプル構成のミルフィーユ菓子です。
抹茶パウダーやカテキンを一切使っていないため、
抹茶ミルフィーユで気になりやすい渋味・粉っぽさ・草っぽい香りが出ません。
ミルフィーユの層の軽さはそのままに、香りの主役をバターとチョコに絞っているので、
「サクサクは好きだけど、抹茶の重さだけが無理」という人でも食べやすい代替スイーツになります。
② 銀座千疋屋 銀座ミルフィーユ
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銀座ミルフィーユは、フルーツソースやチョコレートを組み合わせた
フルーツ&ショコラ系のミルフィーユです。
抹茶ミルフィーユと違い、香りの軸が果実の酸味・甘味+カカオになっているため、
バターリッチなパイと合わせても「重いのに渋い」口当たりになりません。
フルーツの酸味が油脂の重さを中和してくれるので、
「抹茶の渋さが後に残る感じ」が苦手な人でも、後味スッキリ系のサクサク菓子として楽しめます。
③ ザ・スウィーツ ミルフィーユ(36個)
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「ザ・スウィーツ ミルフィーユ」は、定番のチョコ・クリーム系フレーバーを
小さな一口サイズで詰め合わせたアソートです。
抹茶を使わないフレーバー構成なので、カテキン由来の渋味・収斂感がなく、
サクサクのパイとクリームのバランスだけに集中できます。
一口ずつ個包装なので、「抹茶ミルフィーユ一個は重すぎる」という人でも、
量を調整しながらサクサク食感だけを楽しめる代替案として使いやすいです。
④ ブリュレミルフィーユ
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ブリュレミルフィーユは、カスタードクリームとパイ生地に
キャラメル化した砂糖の香ばしさ(ブリュレ風味)を合わせたスイーツです。
焦がしカラメルのほろ苦さは、抹茶カテキンのようなキュッとした収斂感ではなく、
甘味と一体化したマイルドな苦味なので、口内の乾きやきしみを感じにくいのが特徴。
「サクサク+ほろ苦い風味」はそのままに、抹茶特有の草っぽさだけを外せるため、
抹茶ミルフィーユの代わりに香ばしさで満足感を出したい人向けの選択肢になります。
⑤ 日本橋 千疋屋総本店 ミルフィーユ
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日本橋 千疋屋総本店のミルフィーユは、フルーツソースやチョコクリームを組み合わせた
果実系ミルフィーユが中心です。
抹茶を使わず、パイ生地+クリーム+フルーツの構成なので、
重さの原因になっていた抹茶カテキン+粉糖+ホワイトチョコの組み合わせがありません。
フルーツの酸味が口の中をリセットしてくれるため、
「油脂の重さが続く感じ」が苦手な人でも、スッと切れる後味でミルフィーユを楽しめます。
⑥ 六本木アマンド 六本木チーズミルフィーユ
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六本木チーズミルフィーユは、パイ生地にチーズクリームを合わせたタイプのミルフィーユです。
乳製品の中でもチーズはほのかな酸味と塩味を持つため、
バターリッチなパイの重さを引き締める方向に働きます。
抹茶ミルフィーユのように「脂+渋味」が重なる構造ではなく、
脂の重さを酸味と塩味でバランスさせる構造なので、
抹茶の渋味が無理な人でも「しょっぱ甘い系のサクサク菓子」として受け入れやすい代替スイーツです。
⑦ メリーチョコレート ミルフィーユ MF-NN
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メリーチョコレートのミルフィーユは、パイ生地をチョコレートでコーティングし、
中にクリームやチョコフィリングを閉じ込めた構造です。
苦味の軸が抹茶カテキンではなくカカオ由来の苦味になるため、
「キュッと口がしぼむような渋味」ではなく、「甘さと一体化したビター感」として感じられます。
その結果、抹茶ミルフィーユでありがちな草っぽさ・粉っぽさ・渋味スパイクがなく、
サクサクの食感とチョコのコクをストレートに楽しめる代替ミルフィーユと言えます。
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まとめ:抹茶カテキンを外して「サクサク × 香りの主役」を選び直す
抹茶ミルフィーユの違和感は、バターリッチなパイ生地に抹茶カテキン由来の渋味・粉っぽさ・草っぽい香りが重なる構造にあります。
そこに粉糖やホワイトチョコの甘さが上乗せされることで、「脂の重さ+渋味スパイク」の二重苦になりやすいのが特徴です。
一方で、本記事で紹介したような
プレーンカスタード・ショコラ・フルーツ・チーズを主役にしたミルフィーユ系スイーツなら、
苦味や香りの軸がカカオやフルーツ酸味・チーズの塩味に分散されるため、
口の中に残るイヤな渋味や粉っぽさが起こりにくくなります。
「サクサクの層やミルフィーユの見た目は好き。でも抹茶だけ無理」という人は、
抹茶を使わないミルフィーユ系スイーツに乗り換えるだけで、同じ構造をストレスなく楽しめるようになります。
参考文献
- Ujihara, T. et al. (2013). Food Science and Technology Research 19(6).
- Miura, Y. et al. (2010). Milk Science 59(1).
- Wnuk, M. et al. (2022). Foods 11(4).
- Silow, C. et al. (2017). Foods 6(2).
- Borde, A. et al. (2019). Journal of Food Science 84(9).





