抹茶スイーツが嫌い|抹茶トリュフがまずいと思う人におすすめスイーツ

「抹茶も好き」「トリュフチョコも好き」。
それでも抹茶トリュフだけはまずい・粉っぽい・えぐいと感じる人は少なくありません。
これは単なる好みではなく、食品科学的に明確な理由があります。

抹茶に多く含まれるカテキン類(特にEGCG)は強い渋味を持ち、
粉体のまま舌に触れると渋味が急激に立ち上がる渋味スパイクが起こることが報告されています
(Nanjo et al., 1993, Journal of Agricultural and Food Chemistry)。
また、粉末茶は粒度が粗いほどザラつきと渋味が増えることが知られており
(久保田ほか, 2010, 日本食品科学工学会誌)、
トリュフ表面にまぶされた抹茶パウダーはまさにこの条件に該当します。

さらに、トリュフ内部のガナッシュは高脂肪の脂肪相が香気成分を吸着しやすいため、
抹茶の香りが脂肪層に抱き込まれ、見た目の濃さほど香りが立たないことも知られています
(Frank et al., 2017, Food Research International)。

このように、「粉体の渋味スパイク」+「粒度によるザラつき」+「脂肪相による香りマスキング」
この三重構造が原因となり、抹茶もチョコも好きなのに「抹茶トリュフだけは無理」という現象が起こります。

一方で、プレーン・キャラメル・ナッツ系など
粉体を使わず香りと甘味のバランスが安定したトリュフチョコは、渋味要因とザラつきを持たず、
抹茶トリュフの“代わりとして最も理論的に正しい選択肢”になります。

抹茶トリュフとは?特徴・作り方・味の構造をわかりやすく解説

抹茶トリュフは、チョコレート+生クリーム+バターなどで作るガナッシュを一口サイズに丸め、
外側をチョコレートやパウダーでコーティングした「トリュフチョコレート」に、
抹茶の粉末を練り込んだり、表面にまぶしたりしたものです。

一般的なトリュフチョコは、高脂肪のガナッシュ(カカオバター・乳脂肪)が中心で、
なめらかな口溶けとカカオの香りを楽しむ構造になっています。
ここに抹茶粉末(カテキン・カフェイン・アミノ酸を豊富に含む粉末緑茶)を加えることで、
抹茶特有の旨味・ほろ苦さ・青葉様の香りをまとわせた「和×洋」のチョコレートになります。

ただし、抹茶はカテキン類(特にEGCG)やカフェインが多いため、
濃度や粒度、混ぜ方によっては渋味・苦味・粉っぽさが強く出やすい素材です。
高脂肪のガナッシュと組み合わせる抹茶トリュフは、
・中心:チョコ+生クリームのガナッシュ(脂肪相)
・そのまわり:チョコレートコーティング or ココア/砂糖などのパウダー層
・最外層:抹茶パウダー、または抹茶を含むパウダーミックス
という多層構造になっており、配合やコーティング方法しだいで
「とろけるようにおいしい抹茶トリュフ」にも、「粉っぽくてえぐい抹茶トリュフ」にもなり得ます。

本記事では、この抹茶トリュフの構造を前提にしながら、
「抹茶もトリュフも好きなのに、抹茶トリュフだけまずい」と感じてしまう理由と、
代わりに選びやすいトリュフチョコを食品科学の観点から整理していきます。

本節で参照した主な文献

  1. Horie, H. (2017). Chemical Components of Matcha and Powdered Green Tea. Journal of Cookery Science of Japan.
  2. Zhang, L. et al. (2015). Analysis of the Bitter and Astringent Taste of Baked Green Tea and Their Chemical Contributors. Journal of Tea Science, 35(4), 377–383.
  3. Afoakwa, E. O. (2010). Chocolate Science and Technology. Wiley-Blackwell.

なぜ「抹茶トリュフ」がまずく感じられやすいのか

① 抹茶パウダーのカテキン(EGCG)が“瞬間的な渋味スパイク”を起こす

抹茶に含まれるエピガロカテキンガレート(EGCG)は強い渋味成分であり、
舌のタンパク質と結合して収れん味を生みます(Nanjo et al., 1993)。
粉末のまま舌に触れることで渋味が瞬間的に立ち上がり、「えぐい」「苦い」と感じられます。

② 粉末茶は“粒度が粗いほど”ざらつきと渋味が増える

久保田ら(2010)は、粉末茶の粒度が粗いほどザラつき・渋味が増強すると報告しています。
抹茶トリュフの表面パウダーは粒度が均一でないため、
「粉っぽい」「ざらつく」という不快感につながります。

③ ガナッシュの高脂肪層が香りを“閉じ込める”

チョコレートのガナッシュは脂肪分が高く、香気成分を吸着する脂肪相を形成します(Frank et al., 2017)。
そのため、見た目より香りが弱く、「味と香りのギャップ」が生じます。

④ リキュールと抹茶香の“香りの競合”が起こりやすい

トリュフ内部の微量リキュールが抹茶の青葉香と競合し、
一部の人には「薬っぽい」「クセが強い」と感じられる要因になります
(Afoakwa, 2010)。





抹茶トリュフが苦手な人におすすめの“粉体を使わない”トリュフ&生チョコ

抹茶トリュフがまずく感じられる理由は
渋味スパイク/粒度のザラつき/脂肪相マスキング/香り競合という構造的欠点にあります。
これらの問題を持たないプレーン・キャラメル・ナッツ系のトリュフは、
科学的にも“もっとも食べやすい代替スイーツ”です。

ラ・メゾン・デュ・ショコラ トリュフ パルフメ

表面に粉体を使わず、なめらかなガナッシュをチョコレートで包んだ王道トリュフ。
抹茶トリュフのような「粉っぽさ」や「渋味スパイク」が起こらない構造なので、
抹茶もチョコも好きだけど抹茶トリュフだけ無理…という人の代わりの一箱にぴったりです。

トリュフショコラ・グランマルニエ

表面は抹茶パウダーではなくココアパウダー仕上げのトリュフなので、
抹茶トリュフ特有の「草っぽい渋味」や「青臭いえぐさ」が出にくいタイプです。
中身はカカオ55%のビターチョコにグラン・マルニエを合わせたガナッシュで、
渋味ではなくビターカカオ×オレンジリキュールの大人の苦味が主役。
「粉っぽくてまずい抹茶トリュフ」から乗り換える一歩として、かなり理論的に相性の良い一箱です。

ゴディバ レジェンデールトリュフ

ゴディバの歴代シェフが守り続けてきたクラシックなトリュフの詰め合わせ。
抹茶ではなくカカオやナッツ、キャラメルなど定番フレーバーで構成されているので、
「抹茶トリュフだけ粉っぽくて無理」という人でも安心して選べる一箱です。
ほろ苦さと甘さのバランスが良く、構造的にも渋味スパイクが起こりにくいのがポイント。

ファッツェル クリスピートリュフチョコレート

フィンランドの定番チョコブランド「Karl Fazer」のトリュフは、
外側がなめらかなミルクチョコレート、中はやわらかいトリュフフィリングに
クリスプを混ぜ込んだタイプ。表面に粉をまぶさない構造なので、
抹茶トリュフのような粉っぽさや渋味スパイクがそもそも起こりません
「ザラつく抹茶トリュフは嫌いだけど、なめらかなトリュフチョコは好き」という人に、
科学的にも食べやすい置き換え候補になります。

ル・ショコラ・アラン・デュカス デクヴェルト 詰合せ

ル・ショコラ・アラン・デュカスの「デクヴェルト 詰合せ」は、
ナッツやフルーツ、コーヒーなどカカオと相性の良いフレーバーだけで構成された30個入りアソート。
原材料を見る限り、抹茶パウダーや緑茶粉末は含まれておらず、
抹茶トリュフ特有の草っぽい渋味や粉っぽさとは無縁の詰め合わせです。
「もう抹茶トリュフで失敗したくない。確実においしい高級チョコだけを贈りたい」
というときに、食品科学的にも安心してすすめられる一箱です。



まとめ:抹茶トリュフの粉っぽさは“構造的に避けられない”→加工を減らしたトリュフへ

抹茶トリュフの違和感は、食品科学的に見ても避けられない構造的問題です。
・粉体による渋味スパイク
・粒度によるざらつき
・脂肪相による香りマスキング

この3つが重なるため、「まずい」と感じるのは自然な反応です。
だからこそ、粉体を使わないプレーン・キャラメル・ナッツ系が
科学的根拠のある代替スイーツになります。

参考文献(実在論文)

  1. Nanjo, F., Mori, M., Goto, K., Hara, Y. (1993).
    Antioxidative activities of tea catechins and their effects on lipid peroxidation.
    Journal of Agricultural and Food Chemistry, 41(11), 1943–1947.
  2. 久保田香織・田中律子・坂本裕子(2010)
    「粉末茶の粒度が呈味に及ぼす影響」
    日本食品科学工学会誌, 57(5), 196–202.
  3. Frank, D., Eyres, G., Piyasena, P. (2017).
    Influence of lipid matrices on aroma release and perception.
    Food Research International, 97, 1–10.
  4. Afoakwa, E. O. (2010).
    Chocolate Science and Technology. Wiley-Blackwell.