抹茶スイーツが嫌い|抹茶ブラウニーがまずいと思う人におすすめスイーツ

「ブラウニーは好きなのに、抹茶ブラウニーだけパサついてまずい」と感じる違和感には、食品科学的な理由があります。

緑茶・抹茶パウダーをスポンジケーキやマフィンなどの生地に加えると、
硬さ(hardness)やガム性(gumminess)が高くなり、配合量が多いほど“固く・もそっとした食感”になりやすいことが報告されています
(Lu et al., 2010/Mashkour et al., 2022/Żbikowska et al., 2019)。
また、抹茶に多く含まれるカテキン類は強い苦味と渋味の主因であり、濃度が高くなるほど官能評価における好ましさが低下しやすいことも示されています
(Narukawa et al., 2010/Xu et al., 2018)。

さらに、茶飲料や緑茶の研究では、焼成や加熱処理によって香気成分が分解・変化し、「色は濃いのに香りは弱い/クセだけ残る」状態が生じうることも指摘されています
(Fu et al., 2020/Wang et al., 2022)。

この記事では、こうした知見を踏まえて「抹茶ブラウニーがまずく感じられやすい構造的な理由」を整理しつつ、
抹茶粉末やカテキンを使わずにブラウニーらしいしっとり感と甘苦さを楽しめるショコラブラウニー&ガトーショコラを紹介します。


なぜ「抹茶ブラウニー」がまずく感じられやすいのか

  • ココアを抹茶に置き換えることで生地が硬く・パサつきやすくなる
    ブラウニーはココアパウダーとバターの比率が食感を左右します。
    砂糖と脂肪が多い「みっちり生地」に、繊維とポリフェノールを多く含む抹茶パウダーを多量に入れると、
    生地の水分バランスや油脂とのなじみが変わり、ボソボソ・もそっとした食感になりやすいと考えられます。
    緑茶スポンジケーキや抹茶入りスポンジケーキの研究でも、緑茶粉末の添加量が増えるほど硬さやガム性が増加することが報告されています
    (Lu et al., 2010/Mashkour et al., 2022/Żbikowska et al., 2019)。
    Lu, T.-M. et al. (2010) Quality and antioxidant property of green tea sponge cake, Food Chemistry.
    Mashkour, M. et al. (2022) Effect of Green Tea Powder on Physicochemical Properties and Sensory Evaluation of Sponge Cake, Journal of Food Quality.
  • カテキン由来の苦味・渋味が「ブラウニー前提の甘さ設計」とぶつかる
    抹茶に多く含まれるカテキン類は、緑茶の強い苦味と渋味の主成分であり、
    濃度が高くなるほど官能評価での好ましさが低くなることが示されています
    (Narukawa et al., 2010/Xu et al., 2018/Nakagawa, M. ほか 緑茶の味成分総説 など)。
    一方、ブラウニーのレシピは本来ココア+砂糖+脂肪のバランスを前提に組まれています。
    そこにカテキン由来の鋭い苦味と渋味が上乗せされると、「甘いのに後味だけエグい」「粉っぽい渋さだけ残る」という違和感になりやすくなります。
    Narukawa, M. et al. (2010) Taste characterization of green tea catechins, Int. J. Food Sci. Technol.
    Xu, Y.-Q. et al. (2018) Quantitative analyses of the bitterness and astringency of green tea infusion according to the concentrations of catechins, Food Chemistry.
  • 焼成で抹茶香が劣化し、「色ほど香らない/クセだけ残る」状態になりやすい
    緑茶飲料や茶葉を対象とした研究では、焼成・加熱処理が揮発性香気成分やアミノ酸・糖を変化させ、風味プロファイルを大きく変えることが報告されています。
    例えば、緑茶飲料を焼成すると、カテキンやアミノ酸が減少しつつ、一部の香気成分が分解・再生成され、風味が変化することが示されています(Fu et al., 2020)。
    また、異なる加工法の緑茶を焼成した試験でも、焼成処理が味と香りの成分組成を大きく変えることが確認されています(Wang et al., 2022)。
    そのため、オーブンでじっくり焼く抹茶ブラウニーでは、見た目の緑色は濃いのに“お茶らしい香り”は弱く、渋味だけが残るというギャップが生じやすく、
    味の印象を「まずい」と感じさせる一因になりえます。
    Fu, Y.-Q. et al. (2020) Effect of baking on the flavor stability of green tea beverages, Food Chemistry.
    Wang, J.-Q. et al. (2022) Effects of baking treatment on the sensory quality and physicochemical properties of green tea with different processing methods, Food Chemistry.


抹茶ブラウニーが嫌いな人におすすめショコラブラウニー&ガトーショコラ5選

また、「抹茶も好き・ガトーショコラも好き」なのに、抹茶ブラウニーだけ違和感が生まれる理由も食品科学的に説明できます。

抹茶パウダーは食物繊維・カテキン・クロロフィルなど、水分や油脂と結びつきやすい成分を多く含みます。
そのため、ブラウニーのような高脂肪・高糖・低水分の密度が高い生地に加えると、
生地内部の水分活性が変化し、油脂とのネットワークが崩れてパサつき・ざらつき・渋味の突出が起こりやすくなります。

一方、ガトーショコラはカカオの脂溶性の香気成分(テオブロミン・カカオフレーバー)
バターや卵の脂肪と強く結びつくことで、焼成後も香りが保持され、
しっとりしたチョコレート専用の乳化構造が生まれます。カテキンの鋭い苦味や渋味を含まないため、
「甘味・苦味・脂肪のコク」が自然な一体感のある味わいとしてまとまりやすいのが特長です。

つまり、抹茶もショコラも本来は好きな人でも、抹茶ブラウニーは“成分の相性の悪さ”によってだけまずく感じてしまう構造があり、
その弱点を持たないガトーショコラが代替スイーツとして理にかなっていると言えます。

上で見たように、抹茶ブラウニーの違和感は抹茶粉末(カテキン+繊維)とブラウニー生地の相性に起因する部分が大きいと考えられます。
そこで本記事では、抹茶やカテキンを使わず、カカオ前提で配合が最適化されたショコラブラウニー&ガトーショコラを代替スイーツとして紹介します。
生地の硬さやカテキン由来の渋味から離れ、「ブラウニーのしっとり感とチョコレートの香り」に集中できるラインナップです。

①銀座千疋屋 銀座ショコラブラウニー

カカオパウダーとチョコレートを贅沢に使った銀座千疋屋が手がける銀座ショコラブラウニー。
もちろん抹茶粉末は一切使用されておらず、期待どおりのしっとり濃厚な食感を楽しめます。
ケーキの断面は3層仕上がりで作られているため、どの角度から食してもチョコの甘さを堪能できます。
艶のあるチョココーティングが高級感を漂わせている仕上がりは、抹茶スイーツや抹茶ブラウニーが嫌いな人にこそ喜ばれる一品です。

ブラウニー定番

②ピエールマルコリーニ ガトーショコラ

カカオの華やかな香りがバターと完全に乳化するガトーショコラ。
ピエール・マルコリーニのカカオは脂溶性香気成分が強く、焼成しても香りが残ります。
抹茶ブラウニーが嫌いな人の最大の悩みである“香りが弱いのに渋味だけ残る”という後味の悪さを、構造的に回避しているスイーツです。
舌に残るのはカカオの深い香りと脂肪のコクで、香り・甘味・苦味・油脂のバランスが科学的にまとまった逸品と言えます。

ガトーショコラ

③ラ・メゾン・デュ・ショコラ フィナンシェ

ラ・メゾン・デュ・ショコラの人気ラインナップでもあるフィナンシェ。
焦がしバターとショコラを合わせた組み合わせなので、伝統的な製法で仕上げられた香ばしさとチョコレート感を同時に楽しめます。
ブラウニーより軽い食感で、抹茶ブラウニーを「まずい」「重い」と感じる人にとって、負担の少ない代替スイーツとして選びやすい一品です。

④ピエールマルコリーニ ケーク オ ショコラ

ピエールマルコリーニ独自のクーベルチュールカカオを使用して作られたケーク オ ショコラ。
ガトーショコラとは異なる製造過程を経て仕上げられているため、よりパウンドケーキに近い食感と、しっとり感が特徴です。
抹茶スイーツが嫌いな人にも食べやすい、カカオのコクに集中できるショコラケーキです。

パウンド

⑤ダンデライオン・チョコレート ガトーショコラ

シングルオリジンのBean to Barを使ったダンデライオン・チョコレートのガトーショコラ。
余計な粉を使わない“チョコレートが主役”の構造で、カカオの個性(果実味・ナッツ香)がくっきりと感じられます。
カカオバターと卵の乳化が滑らかで、生地にしっとり感があり、甘味も控えめ。
抹茶ブラウニーのような加工されたテイストや、渋味の残る後味を嫌う人におすすめの一品です。






まとめ:抹茶ブラウニーのパサつきが嫌なら、ショコラ配合に最適化されたブラウニーへ

抹茶ブラウニーの違和感は、粉体と油脂比率の変化・カテキン由来の苦味と渋味・焼成による香りの劣化といった、
抹茶粉末特有の性質とブラウニー生地の相性に起因します。
そのため、「ブラウニー自体は好き」「チョコレートの濃厚さは好き」という人ほど、
最初からショコラ用に設計されたブラウニーやガトーショコラを選ぶことで、
科学的にも理にかなったストレスフリーな選択ができます。

参考文献・資料

  1. Lu, T.-M., Lee, C.-C., Mau, J.-L., & Lin, S.-D. (2010). Quality and antioxidant property of green tea sponge cake. Food Chemistry, 119(3), 1090–1095.
  2. Mashkour, M. et al. (2022). Effect of Green Tea Powder on Physicochemical Properties and Sensory Evaluation of Sponge Cake. Journal of Food Quality, 2022, 1065710.
  3. Żbikowska, A. et al. (2019). Effect of Matcha green tea added on selected distinctive qualities of bakery sponge-fat products. Food. Science. Technology. Quality, 26(1), 89–100.
  4. Phongnarisorn, B., Orfila, C., Holmes, M., & Marshall, L. J. (2018). Enrichment of biscuits with Matcha green tea powder: Its impact on consumer acceptability and acute metabolic response. Foods, 7(2), 17.
  5. Narukawa, M. et al. (2010). Taste characterisation of green tea catechins. International Journal of Food Science and Technology, 45(8), 1579–1585.
  6. Xu, Y.-Q. et al. (2018). Quantitative analyses of the bitterness and astringency of green tea infusion according to the concentrations of catechins. Food Chemistry, 258, 16–24.
  7. Nakagawa, M. (1990). Chemical Components and Taste of Green Tea. JARQ, 24(3), 156–160.
  8. Fu, Y.-Q. et al. (2020). Effect of baking on the flavor stability of green tea beverages. Food Chemistry, 333, 127455.
  9. Wang, J.-Q. et al. (2022). Effects of baking treatment on the sensory quality and physicochemical properties of green tea with different processing methods. Food Chemistry, 369, 130897.