抹茶スイーツが嫌い|抹茶クレープがまずいと思う人におすすめのスイーツ

抹茶スイーツが嫌い|抹茶クレープがまずいと思う人におすすめのスイーツ

「クレープは好きなのに、抹茶クレープだけはえぐい・重い・まずい…」と感じる人は珍しくありません。
その違和感には、食品科学の観点から説明できる明確な理由があります。

抹茶に含まれるカテキン類(特にEGCG)は強い苦味・渋味を持ち、
乳脂肪や甘味が主体のクレープ生地・ホイップクリームと組み合わせると
苦味だけが突出しやすいことが報告されています(Narukawa et al., 2011)。

さらに、抹茶粉末の濃度が一定値を超えると色調が暗くなり、
官能評価(おいしさ)が急激に下がることもケーキ・ビスケット・アイスの研究から明らかです
(Lu et al., 2010 / Phongnarisorn et al., 2018 / Yüksel et al., 2017)。

また、卵とバターの香りが強いクレープ生地に、抹茶特有の青葉・海苔様の香りが干渉すると、
「生臭い」「草っぽい」と感じやすい点も指摘されています(Swiąder et al., 2022)。

本記事では、これらの文献をもとに抹茶クレープがまずく感じる理由を解説しつつ、
その原因(渋味・粉っぽさ・香りのミスマッチ)を避けた
抹茶クレープの代わりに選ぶべき食べやすいスイーツを紹介します。

抹茶クレープとは?特徴と構造をやさしく解説

抹茶クレープとは、薄く焼いたクレープ生地に抹茶を混ぜ込んだクリームやソースを包んだスイーツです。
ベースとなるのは、卵とバターの風味がしっかりしたクレープ生地と、乳脂肪分の高いホイップクリーム・カスタード
そこに抹茶パウダー(あるいは抹茶風味パウダー)を加えることで、緑色のビジュアルとほろ苦さを演出しています。

一見すると「抹茶スイーツ好き」には理想的な組み合わせに見えますが、
実際には、生地の卵・バターの香りと、抹茶特有の青葉・海苔のような香りがぶつかりやすく、
さらにカテキン由来の強い渋味・えぐ味が乳脂肪と重なって、
「クレープは好きなのに抹茶クレープだけまずい」と感じる人が少なくありません。

つまり抹茶クレープは、構造的に味と香りのバランスが崩れやすい“繊細なレシピ”であり、
これが「抹茶スイーツ嫌い」「抹茶クレープまずい」と感じられてしまう背景になっています。

なぜ「抹茶クレープ」がまずく感じられやすいのか

① カテキンの強い渋味・苦味が乳脂肪と相性が悪い

抹茶に含まれるエピガロカテキンガレート(EGCG)は、ヒトの苦味・渋味受容体を強く刺激することが知られています。
乳脂肪や砂糖が多いクレープ生地・ホイップクリームと組み合わせると、
本来まろやかなはずの甘さの中でカテキン由来の苦味だけが浮き上がって感じられやすいのが欠点です。

② 抹茶の濃度が閾値を超えると一気に「まずい」領域に入る

緑茶・抹茶粉末をケーキやビスケットに配合した研究では、低濃度(2〜3%程度)では香りや抗酸化性の向上が期待できる一方で、
5%前後を超えると「苦い」「渋い」「重い」といったネガティブな評価が増え、総合的なおいしさが低下することが報告されています。
クレープの場合、生地とクリームの両方に抹茶を使うレシピも多く、
結果的に閾値を超える濃度になってしまい、「抹茶が主役」を通り越して「抹茶しか感じない」まずさに繋がりがちです。

③ 卵とバターの香ばしさに、青臭い抹茶香が干渉する

クレープ生地の魅力は、卵とバターの香り、メイラード反応による香ばしさです。
一方、抹茶や緑茶の香気には青葉様・海苔様・干し草様と表現される成分が含まれます。
これらが同時に立ち上がると、「卵っぽさ」と「青臭さ」が混ざり合い、生臭く感じる人が増えることが指摘されています。
「クレープは好きだけど、抹茶クレープはなんとなく生臭い」という違和感は、この香りのミスマッチが原因の一つです。

④ 粉末の粒度が粗いとザラつき・粉っぽさが出る

高品質な抹茶は非常に細かく挽かれていますが、量販向けの抹茶風味パウダーでは粒度が粗かったり、
抹茶以外の粉末がブレンドされている場合があります。
クレープは生地が薄く、口に入れた瞬間の舌ざわりがダイレクトに伝わるため、
抹茶粉末のダマ・ザラつき・口の中に残る粉っぽさが、「まずい」と感じる大きな要因になります。

⑤ 加熱でクロロフィルが分解し、くすんだ色で「まずそう」に見える

抹茶の鮮やかな緑色はクロロフィルによるものですが、加熱や時間の経過によって
フェオフィチンなどに分解し、くすんだ緑〜黄土色に変化してしまいます。
クレープ生地に練り込んだ抹茶は、焼成後や陳列中に色が劣化し、
「フレッシュな緑」ではなく「少し古びたようなくすんだ色」として見えやすく、視覚的にもおいしさを損ないがちです。





上記のように、抹茶クレープは構造的に「まずさ」が出やすい弱点を抱えています。
生地+クリームという重めの構成に、カテキン由来の渋味や粉っぽさ、青臭い香りが重なることで、
「途中で重くなる」「最後まで美味しく食べきれない」と感じやすいのです。

しかし裏を返せば、これらの弱点となる成分や加工を含まないスイーツを選べば解決できるということでもあります。
次の章では、抹茶クレープの苦手ポイントを避けながら、
クレープ好きの人でも満足しやすいひんやりヌガーグラッセ系スイーツを紹介します。

抹茶クレープが苦手な人におすすめのひんやりヌガーグラッセ系スイーツ5選

抹茶クレープの弱点である「カテキンの渋味」「粉っぽさ」「青臭い香り」を避けつつ、
クレープ好きが求めるクリームの満足感・ひんやり感・ちょっと特別なご褒美感を楽しめるスイーツを厳選しています。

① 博多ヌガーグラッセ|抹茶クレープの重さが無理な人向けひんやりデザート

生クリームとメレンゲにナッツやドライフルーツを合わせた、冷凍で届くアイスデザート。
抹茶クレープのようなカテキンの渋味・粉っぽさ・青臭さが一切なく、
ひんやりなめらかな口どけとナッツの香ばしさで、心地よい満足感だけを味わえます。

② AKAGANE ヌガーグラッセサンド|しっとりクッキーで楽しむ“クレープ代替”

ひんやりとしたヌガーグラッセを、さっくり香ばしいクッキーでサンドした一品。
クレープと同じ「生地+クリーム」の構造なのに、渋味やえぐ味はゼロ。
ナッツとキャラメルのコクで、抹茶のクセを避けつつ大人の贅沢感を楽しめます。

③ 米コロン・シューヌガー|グルテンフリーで軽いのに満足感あり

米粉シュー生地にヌガーグラッセを合わせた、グルテンフリーの新食感スイーツ。
小麦の重さや抹茶クレープの粉っぽさが気になる人でも、口あたりは軽く後味はすっきり
「軽いのにちゃんと満たされる」代替スイーツとして使えます。

④ NOUGAT℃ ヌガードカップ 3種セット|アイス感覚で楽しむご褒美デザート

カップ入りで食べやすいヌガーグラッセを、アイスデザート感覚で少しずつ楽しめるセット。
乳脂肪のコクはありつつ口どけは非常に軽く
抹茶を使っていないため渋味・粉っぽさ・草っぽい香りが出ません。
「抹茶クレープの味だけが無理」という人でも安心して選べるご褒美スイーツです。

⑤ NOUGAT℃ ヌガーサンド 5個セット|クレープ生地の代わりにクッキーで包む新食感

ほどよく厚みのあるクッキーでヌガーグラッセをサンドし、
クレープと同じ「包んで食べる」満足感を楽しめるスイーツ。
抹茶クレープと違ってカテキン由来の渋味や青臭さがなく、
ナッツとキャラメルの香ばしさが前に出るため、
「味のクセなしでリッチさだけ欲しい」という人に向いています。

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まとめ:弱点を避ければ、美味しく“クレープ系”を楽しめる

抹茶クレープがまずく感じられる背景には、
①カテキン由来の強い渋味 ②粉末抹茶の粒度による粉っぽさ ③乳脂肪や卵香との香りのミスマッチといった構造的な要因があります。

しかし、代替となるひんやりヌガーグラッセ系スイーツを選べば、
クレープのようなクリーム感・華やかさ・ご褒美感はそのままに、
「まずい原因」だけをカットして、ストレスなくスイーツタイムを楽しむことができます。

参考文献

  • Narukawa, M. et al. (2011). Evaluation of the bitterness of green tea catechins. Biochimica et Biophysica Acta.
  • Pires, M. A. et al. (2020). Sensorial perception of astringency: Oral mechanisms and current analysis techniques. Food Research International.
  • Lu, T. M. et al. (2010). Quality and antioxidant property of green tea sponge cake. Food Chemistry.
  • Phongnarisorn, B. et al. (2018). Enrichment of biscuits with matcha green tea powder. Foods.
  • Yüksel, A. K. et al. (2017). Determination of certain physicochemical characteristics and sensory properties of green tea powder (matcha) added ice creams. Journal of Food Processing and Preservation.
  • Swiąder, K. et al. (2022). The Sensory Quality and the Physical Properties of Yoghurt Enriched with Green Tea Infusion and Inulin. Foods.
  • Li, X. et al. (2018). Rapid Determination of Chlorophyll and Pheophytin in Green Tea by HPLC.