抹茶スイーツが嫌い|抹茶ビスケットがまずいと思う人におすすめのスイーツ
「クッキーやビスケットは好きなのに、抹茶ビスケットだけは苦い・渋い・えぐい」と感じる人は珍しくありません。
その違和感は、抹茶の成分(カテキン・カフェイン)と焼き菓子加工による風味劣化が重なって起こります。
つまり「抹茶が嫌いなのではなく、抹茶を“焼いたとき”のクセが苦手」なだけなのです。
本記事では食品化学の文献をもとに、なぜ抹茶ビスケットはまずく感じられやすいのかを科学的に分解し、
その原因を避けた食べやすい代替スイーツを紹介します。
抹茶ビスケットとは?特徴と構造をやさしく解説
抹茶ビスケットとは、小麦粉・砂糖・油脂(バターや植物油)などで作るビスケット生地に、
抹茶パウダーを練り込んで焼き上げた焼き菓子のことです。
ベースとなるビスケットは、水分が少なくサクサク・ホロホロした低水分の生地構造が特徴です。
ここに抹茶パウダー(茶葉を細かく砕いた粉)をそのまま加えることで、
緑色の見た目と、抹茶特有の香り・ほろ苦さが出るように設計されています。
しかし同時に、抹茶ビスケットは構造的に味のバランスが崩れやすい弱点も抱えています。
例えば、
・ビスケット生地は乳脂肪が少なく、カテキンやカフェインの苦味・渋味がダイレクトに出やすいこと
・水分が少ないため、抹茶粉の粒子感(ザラつき)が舌に残りやすいこと
・焼成時の高温で、抹茶の旨味成分が失われ、えぐみが強調されやすいこと
などです。
その結果、「見た目はおしゃれなのに、食べると粉っぽい・草っぽい・苦い」と感じる人が出やすく、
これが後述する「抹茶ビスケットがまずく感じられる理由」の背景になっています。
SNSで多い「抹茶ビスケットがまずい」というリアルな声
抹茶スイーツは好きでも、抹茶ビスケットだけはまずい・苦い・粉っぽいと感じる人は珍しくありません。
実際、SNSでは同じ悩みの声が多数投稿されています。
ホット玄米茶を2階で楽しむ季節にぬりまんたね♡ お供はクソまずい抹茶クッキー pic.twitter.com/z6iOMIHK49
— 藤井美紀 (@miki_fujii) November 6, 2013
このように、抹茶本来の香りや味は好きでも、「ビスケット化した時だけまずい」という声は多く見られます。
次章では、この違和感が生まれる食品科学的な理由を詳しく解説します。
抹茶ビスケットがまずい・苦手と感じる理由(食品化学の根拠)
1. カテキン・カフェインによる「苦味・渋味」が強調される
抹茶はカテキン(特に EGCG)とカフェインを多く含み、これらが苦味・渋味(アストリンジェンシー)の主因です。
関西大学の研究でも「カテキンは苦味・渋味を呈する主要成分」と報告されています。
ビスケット生地は乳脂肪が低く、苦渋味をマスキングする力が弱いため、抹茶の渋味がそのまま立ちやすいのが特徴です。
2. 焼成によってカテキンが劣化し“えぐみ”が強くなる
抹茶粉をビスケットに添加する研究では、焼成後にカテキン類が19%減少し、同時に渋味が強調されたと報告されています(2017年)。
これは焼成によってカテキンがエピマー化し、苦渋味の性質が変わってしまうためです。
結果として、“抹茶の旨味だけ失われ、えぐみだけ残る”という現象が起こります。
3. 甘味・油脂と抹茶のバランスが悪いと「粉っぽい・草っぽい」味に
抹茶の粒度や配合比が官能評価に強く影響することが報告されており、
ビスケットのように水分の少ない焼き菓子では、抹茶粉のザラつきが舌に残りやすく、
粉っぽい → 草っぽい → 苦いという負の連鎖が起こります。
これが「抹茶ビスケットだけまずい」と感じる大きな理由です。
お抹茶とクレームブリュレは本来とても相性が良い組み合わせ
「抹茶は好きなのに、抹茶ブリュレだけまずい」と感じる人は多いですが、 実はお抹茶とクレームブリュレ(バニラ系ブリュレ)のペアリング自体はとても相性が良いと言われています。
濃厚で甘いブリュレに対して、お抹茶のほろ苦さ・渋味・香ばしさが口の中をリセットしてくれるため、 フレンチレストランや和カフェでも「ブリュレ×抹茶」の組み合わせは定番のひとつです。
つまり問題なのは抹茶そのものではなく、 抹茶を“ブリュレそのもの”に練り込んでしまう加工過程で、まずさの原因が生まれているという点にあります。
和三盆のクレームブリュレとお抹茶 pic.twitter.com/phiN91oY4Z
— oggi (@oggi0104) April 21, 2013
実際、濃厚なクレームブリュレと温かいお抹茶・アイス抹茶ラテなどの組み合わせを推す声は少なくありません。 それにもかかわらず「抹茶ブリュレだけがまずい」と感じられてしまうのは、 カテキンの渋味・抹茶粉末の粒度・高脂肪クリームとの相互作用が、 ブリュレのなめらかさや甘さと“衝突”してしまうためです。
ここまで紹介したように、抹茶ビスケットがまずいと感じるのは“抹茶そのもの”ではなく“焼成加工”が原因です。
つまり、焼成によって抹茶の苦渋味が強調される構造さえ避ければ、抹茶が好きな人でも食べやすいスイーツはたくさんあります。
そこで次のセクションでは、抹茶ビスケットで問題となる「苦味・渋味・ザラつき」を排除しつつ、
焼き菓子らしい満足感はそのまま楽しめるスイーツを紹介します。
抹茶ビスケットが苦手な人におすすめのスイーツ
抹茶ビスケットがまずく感じられやすいのは、
「カテキン・カフェイン由来の強い渋味」や「粉っぽさ・乾いた口どけ」といった、
ビスケット+抹茶という組み合わせ特有の弱点が原因でした。
そこでここでは、抹茶ビスケットの構造的な欠点を避けつつ、
・焼き菓子らしい満足感・食べごたえ
・カラメルや卵・バターの香ばしさ・コク
をしっかり楽しめるクレームブリュレ系・バウム系スイーツを中心に5品ピックアップしました。
「抹茶スイーツは苦手だけど、ご褒美スイーツは楽しみたい」という人でも、
ストレスなく食べられる“渋味のストレスがない選択肢”としてチェックしてみてください。
いちごのクレームブリュレ|渋味ゼロで甘酸っぱさが主役のデザート
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抹茶ビスケットのようなカテキン由来の渋味や粉っぽさが一切ない、苺クレームブリュレタイプのスイーツです。
卵黄と生クリームのなめらかさに、苺の甘酸っぱさが重なることで、口の中に重さが残らず「さっぱりしたご褒美感」を楽しめます。
「抹茶の風味は好きだけど、焼き菓子にしたときのえぐさが無理」という人でも、安心して選べる代替スイーツです。
クレームブリュレバウム|バウムクーヘン好きに刺さる“表面カリッ、中ふんわり”タイプ
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バウムクーヘンのしっとり生地に、クレームブリュレのキャラメリゼを合わせたタイプです。
バターリッチな生地が主役なので、抹茶ビスケットのような粉っぽさ・ザラつき・渋味とは無縁。
「焼き菓子の食感は好きだけど、抹茶を焼いたときのえぐさが苦手」という人が、安心して選べる代替スイーツです。
クレームブリュレ入り半生パウンド|しっとりケーキ×とろっとクリームで「粉っぽさゼロ」
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しっとりした半生パウンドケーキの中に、クレームブリュレクリームを閉じ込めたタイプ。
生地自体が水分と油脂をしっかり含んでいるため、抹茶ビスケットのような口の中が乾く感じが出ません。
「焼き菓子の風味は好きだけど、舌に残るザラつきが無理」という人に向けて、かなり説得力のある代替案になります。
蜜芋の生クレームブリュレ|自然な甘さで「渋味のストレス」を完全オフ
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熟成焼き芋とクレームブリュレを組み合わせた、芋スイーツ寄りのブリュレです。
紅はるかの蜜のような甘さが主役になるので、抹茶ビスケットで感じるような青臭さ・渋さとは真逆の方向性。
「抹茶の奥行きは好きだけど、砂糖+抹茶粉のバランスがきつい」と感じる人に、より優しい甘さの選択肢として提案できます。
クレームブリュレドーナツ|ドーナツ好きにも勧めやすい“なめらか系”ブリュレ
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ふんわり豆乳ドーナツの中にクレームブリュレの要素を組み合わせた、変化球タイプのスイーツです。
抹茶ドーナツのように、抹茶粉が油と合わさってえぐ味や重さが出る心配がなく、
キャラメリゼの香ばしさと、なめらかなクリームのコクを素直に楽しめます。
「揚げ菓子は好きだけど、抹茶風味にした途端にまずく感じる」という人に、相性の良い提案ができます。
マダムブリュレ|カリッと香ばしい表面×バターリッチな層で満足感アップ
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表面をキャラメリゼしたバウムクーヘンタイプのブリュレスイーツです。
バター香るしっとりバウムに、パリッとしたカラメル層が加わることで、抹茶ビスケットでは得られない香ばしさとコクを楽しめます。
「サクサク・しっとり系の焼き菓子は好きだけど、抹茶を焼くと重く感じる」という人に、構造的にも味覚的にも相性の良い代替スイーツです。
まとめ|抹茶ビスケットがまずい理由と、抹茶不使用で選ぶべきスイーツ
抹茶ビスケットが「まずい」「苦手」と感じやすいのは、抹茶の苦味成分である
カテキン・カフェインが焼成によって強調されること、さらに
水分の少ないビスケット生地が粉っぽさや草っぽさを増幅させるためです。
つまり、抹茶ビスケットが苦手な人は、抹茶そのものではなく
“焼き菓子として加工された抹茶”が合わないだけなのです。
そこで大切なのは、抹茶ビスケットで起こる
渋味・えぐ味・粉っぽさの3つの原因を避けること。
この要素さえ排除すれば、抹茶が苦手な人でもおいしく食べられるスイーツはたくさんあります。
本記事で紹介した
クレームブリュレ系デザート、バウムクーヘン&パウンド系のブリュレスイーツ、蜜芋スイーツ、ブリュレドーナツ
は、いずれも抹茶ビスケットの弱点である「乾いた口どけ」「強い渋味」「粉っぽさ」を構造的に避けたジャンルです。
「抹茶スイーツは苦手だけど、甘いものは好き」という人は、
ぜひ本記事で紹介した抹茶不使用の代替スイーツから選んでみてください。
自分に合った“ストレスのない甘味の楽しみ方”が見つかるはずです。
さらに詳しいスイーツ選びや、他の抹茶スイーツが苦手な人向けの記事は
「抹茶スイーツが嫌い」シリーズ一覧
でも読むことができます。
参考文献(本記事で引用した根拠の詳細)
- Kazami, Y.「Matcha Sensory Profile and Consumer Preference Study」
本記事の引用箇所:
・抹茶の官能特性(苦味・渋味・青臭さ)が粒度・配合比によって変わる点
・焼き菓子に抹茶を使用する際「粉っぽさ・草っぽさ」が出やすい点
→ 本文「甘味・油脂と抹茶のバランスが悪いと『粉っぽい・草っぽい』味に」で引用。 - 関西大学「抹茶レシピの嗜好分析(抹茶に含まれるカテキン類の味覚影響)」
本記事の引用箇所:
・カテキン(特に EGCG)が苦味・渋味の主要因である点
・「抹茶が苦い・渋い」と感じる消費者が一定数存在する点
→ 本文「カテキン・カフェインによる苦味・渋味が強調される」で引用。 - Benjapor Phongnarisorn (2017). “Enrichment of Biscuits with Matcha Green Tea Powder: Consumer Acceptability and Catechin Stability.”
本記事の引用箇所:
・ビスケット焼成後、総カテキン量が19%減少した研究データ
・焼成によりカテキンがエピマー化し、渋味・えぐ味が強まる点
・消費者評価で「抹茶焼菓子は旨味が弱く渋味が強く出る」とされる点
→ 本文「焼成によってカテキンが劣化し“えぐみ”が強くなる」で引用。 - Riching Matcha「抹茶パウダーの味覚構造と化学特性」
本記事の引用箇所:
・抹茶の味は“旨味(テアニン)・甘味・渋味(カテキン)・苦味(カフェイン)”の4軸で構成される点
・加工条件によってテアニンの旨味が損なわれ、渋味が際立ちやすくなる点
→ 本文「焼成で“抹茶の良さ(旨味)が消え、嫌な部分だけ残る”」で引用。 - MyNavi News「抹茶が苦手と回答した消費者の理由調査」
本記事の引用箇所:
・「抹茶が苦手」な消費者の理由で“苦味・渋味・後味の重さ”が上位である点
・「抹茶は好きだが抹茶味の加工菓子は苦手」という層が一定数存在する点
→ 本文「抹茶ビスケットだけがまずい背景」にて引用。





