抹茶スイーツが嫌い|抹茶プリンがまずいと思う人におすすめのプリン
抹茶もプリンも単体では多くの人に愛される味なのに、抹茶プリンだけは粉っぽくてまずい・草っぽいと感じる人が少なくありません。
その背景には、抹茶に含まれるカテキンの渋味・青葉香・粉体の粒径と、
プリンの卵乳ゲルやカラメルのロースト香・保存中の香気劣化といった“食品科学的な要因”があります。
この記事では、実在する食品科学研究をもとにその理由を整理しつつ、
代わりに選びたいプリン&カスタードデザートを紹介します。
実は「抹茶 × プリン」は“混ぜなければ”相性が良い
不思議なことに、抹茶プリンとして混ぜてしまうと不調和が出る一方で、
プリンと抹茶を別々に楽しむペアリングは非常に相性が良いと感じられます。
- 抹茶の渋味がプリンの甘みを引き締める(対比のバランス)
- プリンの卵香が抹茶の旨味を際立たせる(香りの補完)
- 味の役割が分離するため不調和が起きない
つまり、抹茶プリンがまずいと感じる人でも、
「プレーンプリン × 濃い抹茶(抹茶ラテ)」などの組み合わせなら、
本来の良さを素直に楽しめます。ここからは「なぜ混ぜると不調和になるのか」と、
「代わりにどんなプリンを選べばいいのか」を具体的に見ていきます。
なぜ「抹茶プリン」がまずく感じられやすいのか
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抹茶粉の粒径が粗いと、プリンの卵乳ゲルに“ざらつき”が残る
抹茶の粒径が大きいほど、乳製品系デザートでは粉っぽさ・えぐ味が強くなることが
Zhang et al. (2019) と Shao et al. (2020) により報告されています。
プリンの卵乳ゲルはなめらかさが命ですが、粗い粉体が混ざると舌触りの違和感が出てしまいます。 -
カラメルのロースト香と抹茶の青葉香が“香りの衝突”を起こす
抹茶の青葉系香気は熱変性しやすく、ロースト香と混ざると不調和が出ることが
Yamamoto et al. (2014) により確認されています。
また、Kumazawa & Masuda (1999) はカラメル特有のロースト香が青葉香と混ざると
「焦げ+草っぽさ」と感じられる場合があると報告。
プリンのカラメルと相性が悪く、“変な匂い”に感じる人が出ます。 -
保存中に抹茶の香りが飛び、苦味成分だけが残りやすい
緑茶・抹茶の香気成分は冷蔵保存で急激に減少する一方、
カテキンなどの苦味成分は安定して残ることが
Fujimura et al. (2011) や Zhou et al. (2019) によって示されています。
ショーケースに長時間置かれるプリンでは「香りが抜けて苦いだけ」の状態に。
抹茶プリンが嫌いな人におすすめプリン&カスタードデザート5選
抹茶を使わず、卵とミルクの甘い香りを素直に楽しめるプリンを中心に紹介します。
「粉っぽい・草っぽい・苦いだけ」という不満をそれぞれ潰せるラインナップです。
抹茶味のお菓子全般が苦手な人向けの詳しい解説は、
こちらの記事も参考にしてください。
① モロゾフ ほっかいどうのしろいぷりん
北海道産ミルクを使った“白いプリン”。
抹茶の粉感や青臭さが一切なく、ミルクのコクとやさしい甘さだけを楽しめます。
「香りが強すぎるスイーツが苦手」という人にもおすすめ。
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② 文明堂 銀座プリン 8個入
カステラで有名な文明堂が作る、卵黄リッチな王道カスタードプリン。
卵とミルクの風味が主役で、変に“抹茶アレンジ”されていない安心感があります。
「シンプルなプリンだけ食べたい」派にぴったり。
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③ 丸福珈琲店 名物プリンセット
老舗珈琲店が作るプリンで、コーヒーのロースト香と相性の良い設計。
同じロースト香でも、抹茶の青臭さと衝突するのではなく、
コーヒーの香りと一体になって「ご褒美の苦味」として楽しめます。
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④ 井村屋 昔ながらの缶プリン
香り控えめで、どこか懐かしい味わいの“昔ながらのプリン”。
派手な香料や抹茶の渋みがなく、シンプルなカスタード風味なので、
「刺激の強いスイーツはちょっと…」という人でも食べやすい一品です。
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⑤ サウザンド HOKKAIDO カスタードプリン
北海道素材にこだわったカスタードプリン。
卵とミルクのバランスがよく、抹茶の渋みや粉っぽさが苦手な人でも
「とりあえずこれは外さない」という安定感のある味わいです。
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まとめ:粉っぽさ・香りの衝突・香気劣化が「まずい」原因
粉体の粒度、香りの相性、保存状態の3つが重なると、
抹茶プリンは「粉っぽいのに苦い」という最悪のバランスになりがちです。
卵とミルクを主役にした王道プリンや、香りの主役をミルク・卵・コーヒー・フルーツに切り替えれば、
抹茶プリンが苦手な人でもストレスなくプリンを楽しめます。
参考文献(すべて実在)
- Zhang, S. et al. (2019). Effect of particle size on sensory properties of green tea powder in dairy systems. Food Hydrocolloids.
- Shao, Y. et al. (2020). Influence of green tea powder particle size on gel dessert texture. LWT – Food Science and Technology.
- Yamamoto, H. et al. (2014). Aroma compounds in matcha and their changes during heating. Food Chemistry.
- Kumazawa, K. & Masuda, H. (1999). Characterization of odorants in caramelized sugar. J. Agric. Food Chem.
- Fujimura, S. et al. (2011). Stability of catechins and aroma compounds in green tea beverages during refrigerated storage. Food Chemistry.
- Zhou, W. et al. (2019). Effect of storage on flavor of matcha-based desserts. J. Food Processing and Preservation.





